こんにちは。
いつもブログをご覧頂きありがとうございます。
今回は高血圧の患者さんの症例です。
患者90代女性 主訴・高血圧 ご家族よりご相談があり、鍼をさせて頂くことに。 高血圧で上が170近くなることもあるとのことで、お薬で対処 されている。 脈とお腹を拝見させて頂くと、脈は皮膚に触れるやいなや 強く打ち上げてくるような強さがある。 しかし、中が空洞のように表面だけが強く中はふにゃふにゃ さらに押していくと一本ギターの1番細い弦のような ピーンと張られた硬いものが残る。 これは身体の深部がとても冷えていて、逆に身体の表面と上に 物凄い熱をこもらせている状態を表します。 それにより、心臓に常に負荷がかかっていた。 また、脈=血管ともとれる為、血管がふにゃふにゃしていては 血流も満足に送れなくなってしまう為、更に心臓が圧を上げて 血液を送り出さなくてはいけないような状態になっていた。 心臓の負担を減らす為、熱を捌くことと深部の冷えを抜くこと を目的に鍼とお灸をした。治療後は脈も全体的に柔らかみのある 綺麗な物になった。血圧も下がり喜んで頂けた。 気をつけて欲しい食べ物や過ごし方もお伝えした。 しかし、身体の癖や生活の仕方に起因する為始めのうちは 戻ってしまう事も否めない。 週一回のペースで4回程施術をした。 身体のバランスも戻り、 ご家族からもあまり前のように血圧が上がらなくなってきた と言って頂いた。 それでも寒い季節や冷えに入られると、また高くなることもあるので 今も定期的に鍼をさせて頂き、体調を維持されている。 この症例はある意味お元気な身体を持たれているからこそ という面もある。 90代にも関わらず、お元気で外も歩かれる。 元気があるからこそ、深部の冷えに負けないように熱を 生み出せるのである。 しかしその生み出した熱が、自身を苦しめるということが 臨床の中では往々にしてある。 鍼をする上ではその方の身体の力がどれだけあるか、 その力を引き出すにはどうしたら良いかを常に考え 最適な施術が出来るように心掛けたいものである。